南フランス旅暮らし

生活拠点の街、フランス南西部に位置するトゥールーズ(Toulouse)での暮らしとフランス国内外の旅の記録。

パリ(Paris)

2023年の年明け、冬真っ盛りのパリへ。トゥールーズから利用する交通機関は飛行機でも電車でもOK。 Soldes(ソルド)中ということもありしっかり買い物してくる予定なのでたっぷり増える荷物のことを考えて、行きは飛行機、帰りは電車で。

1時間ほどの飛行時間を経てパリの街に着くと早速見えるエッフェル塔、コロナ渦前の2019年以来だったので車窓から見えるその姿がなんだか新鮮。

メトロから見えるエッフェル塔

今回のパリ旅の目的は展覧会と買い物。

しかしその前に、パリの街に着いて早々日本人美容師さんのところで髪の毛を短くボブカットしてもらってすっきり。そしてその足でフリーダ・カーロ展を観にガリエラ美術館(Palais Galliera)へ。

とてもよい展示だった。フリーダ美しい

美術館から出ると外はすっかり暗くなり、またもやエッフェル塔の夜バージョン。観光客がたくさん写真撮ってたのが日常っぽくてよい。

電力不足でもライトアップは必須

翌日は朝から買い物へGO!目くるめくパリの街並み。

しかしめちゃくちゃ寒かった。日中もほとんど零度に近い気温で一日中歩き回ったのでなんだか寒さの耐性がつき、その後自宅に戻ってから室内温度16度程度でも厚着すれば暖房なしで大丈夫なくらいになってしまった。電気代ガス代が高騰しているところなのでちょうどよい。

赤いコートのお姉さんたちオシャレ

そして久しぶりに本物の豚骨ラーメンをパリの一風堂で食べたよ!白丸13.5ユーロ。

一風堂(Ippudo)パリ店のメニュー

 

クレタ島 ハニア(Hania/Chaniá)

イラクリオンで借りたレンタカーを2時間強走らせて、クレタ島第2の都市ハニアへ。

海沿いを走る。ほぼ一本道

道中休憩を兼ねて食堂でランチを食べつつ、到着したハニア。なんだか東京ディズニーシーメディテレーニアンハーバーを彷彿とさせる街並みだけど、とにかくきれいなのは間違いなし。

海に続く遊歩道の先から街を振り返るとこんな景色

海岸沿いのレストラン。朝食やブランチにもおすすめ

路地裏のレストランも活気がある。夜はミュージシャンの生演奏を聴きながらご飯が食べられるレストランもあったり。治安も良い。うちのフランス人夫はここで初ウーゾを体験していた(写真左端のギリシャのお酒、度数高し)。

日中は基本的に散歩をするか、カフェでまったりしたり。

街を歩いていると突如、遺跡発掘中のエリアが出現したりする。

この街の特徴の一つはとにかく野良猫の多さ。あちこちにネコネコ猫、どのレストランに入ってもテーブル脇にはおこぼれ待機中の猫ちゃんがいて、お店のスタッフも追い出したりしないおおらかさ。猫側もおとなしくたまには可愛らしくにゃーんとお喋りすればご飯がもらえると知っているらしく、なんとも平和。

近づいても一切動じない猫さんたち

数日位のんびりするには最適な街でした。イラクリオンより好きだったな。



クレタ島 イラクリオン(Iraklion)

今年の夏のバカンスは少し遅めの9月中旬。日本で暮らしていた時からずっと行ってみたかったギリシャクレタ島へ。

東京出発だと飛行機を乗り継いでかなり時間がかかるのでなかなか手が出なかったけれど、現在暮らしているトゥールーズからは直行便がでていてラッキー!エーゲ航空LCC)を利用して片道3時間半程でイラクリオン空港へ到着。

わーお!海きれい

宿泊したホテルの人に教えてもらったのだけれど、イラクリオン市内は有料バスの他に無料の巡回バスが走っていて、本数も多いのでかなり便利。ルートもいくつかある模様。

停車位置は目印があったりなかったりだけど大体は下の写真のバス停から乗車する。乗り込むときに運転手さんに目的地を確認するとそこに停車するかどうか教えてくれる。

バス停、この目印はあったりなかったりするので注意

無料の巡回バス。City Busと車体に書いてある

市内の聖ミナス大聖堂
街なか食堂。このレストランが最もローカルっぽい食事を楽しめた

市内は野良犬多し

必ず行っておきたかった場所、クノッソス宮殿遺跡へは街の中心から有料バスで20分くらい。バス停前にあるキオスクのレジで買ったら片道料金1.5ユーロ(2022年9月時点)だったけれど、バス内でドライバーから買うと2.5ユーロのとのこと。遺跡に入る際には入場料も必要。市内からそれなりのお値段がするツアーがいくつか出ているみたいだけれど、片言でも英語がOKなら自力で辿り着けると思われる。

以前は宮殿内部も見学できたそうだけど、観光客のマナーが悪くて破壊行為などが頻発した結果、とっても残念なことに現在は外側のみの見学に限定されている。

クノッソス遺跡内に残されていた壁画や調度品のほとんどはイラクリオン市内の考古学博物館に展示されていて、クノッソス遺跡との共通チケット割引もあるのでお得に見学可能。

クノッソス宮殿全体像の模型もあり

アンドラ公国(Andorra)

トゥールーズから車で約3時間のアンドラへ行ってきた。

トゥールーズ近辺で高速道路を使うと大体いつも視界に現れるピレネー山脈、その山の中にある小さな国。ちなみにこの国はヨーロッパだけどEUには加盟していません。しかしユーロは使えます(なんだそれ)。さらに言うとスイスだってEUではありません。複雑だなー。

アンドラの入口近辺

気候変動の影響で近年は夏にアフリカからの熱波が繰り返しやってくるようになった欧州、真夏でも山の中の涼しい国だったアンドラも今回とっても暑かった。フランス人の夫が子供のころ両親に連れられて行った時は夏でも夜は上着必須だったそうで、念のため持って行ったけれど全然必要なかった。

アンドラの首都、Andorra la Vella(アンドラ・ラ・ベリャ)

アンドラ・ラ・ベリャの中心部。商店街って感じ

2012年までは消費税が無かったので、ショッピング大国だったそう。2022年現在でも4.5%と低めに抑えられているのでモノによってはフランスで買うよりも安いけれど、私がぐるっと商店を見回した感じだとお得感があったのはお酒とレストランの食事くらいかな。他はやや安いものもあるなー、くらいなのでショッピングするぞ!!という気にはならなかった。というか、あまりにも暑くて夫婦共に体調不良ぎみ、買い回りする気力が、、でも今思うとビールくらいは免税の範囲で買っておけばよかったかな。

 

海外で日本食って基本は食べないのだけれど(だいたい中国人界隈の方々が経営していて、本当の日本食とは言えないお味。ほぼイミテーションだが値段は高い)、アンドラでは清潔感のある日本食レストランがぽつぽつとあって値段も許容範囲だったので一店伺ってみた。

見た目からしてしっかりオリジナルを研究してそうな寿司

焼きそば。かつお節が湯気にゆられておどっているところは合格点

日本で食べる日本食に比べるともちろんお値段お高めだけれど、このレベルであればまあ良しとしよう。

海外まで来て日本食?と思われるかもしれないので現地の洋食屋さんにも行ってみました。タコ料理があったので頼んだらドン!と運ばれてきたのがこれ。

足一本そのままグリル、マッシュドポテトを添えて

事前に夫から聞いていた情報だとアンドラはフランス語が通じるという話だったけれど、今回行ってみたらホテルのフロントスタッフ1名とドッグストアの薬剤師さん1名を除いて、フランス語で会話OKな場面はありませんでした。昔はもっとフランス語話者がいたらしい。基本はスペイン語で、英語もかなり通じます。ローカルのカフェに行ってみたらスペイン語オンリーなんてことはありました。

補足的に駐車場情報ですが、アンドラ・ラ・ベリャの街中はほぼどこを選んでも料金共通の有料パーキングが点在していて、街の中心部からかなり離れたところだとやや安めの駐車場もあります。私たちは街の中心のホテルのそばの駐車場に2泊3日停めて、計55ユーロ程でした。

いつかまたプチ旅行しに戻ってくるかも。トゥールーズからは直通のバスも出ているので、ご興味のある方はぜひ。

マルセイユ(Marseille)

南フランスにある大きな港町、マルセイユ。電車で行くのもアリだったけれど、車で行ってもほぼ同じ時間でたどり着くため夫の運転で6時間、途中で休憩もはさみながら。

セルフサービスのStarbucks

道中に数回サービスエリアに寄ったけれど、スタバだったりPAUL(ポール)だったりがあって、大きなサービスエリアはトイレもきれいだったし案外快適。全然関係ないけど日本版PAULってパスコが運営してるのね、知らなかった。東京で働いていたときは六本木一丁目店によくお世話になりました。

 

マルセイユにある在フランス日本領事館に行くのが目的の一つだったので、あちこち観光はできなかったけれど、用事を済ませたあとにノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂(Basilique Notre-Dame-de-la-Garde)に寄ってきた。

聖堂正面

 

中に入ると見渡す限り黄金の輝き。港町らしくあちこちに船の絵があってかわいかった。

天井画

壁面右手側

 

そういえばフランス国歌のラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)、元々はフランス革命の時にマルセイユの兵士たちが口ずさんでいた歌がフランス全土に広まったという話。

ラ・マルセイエーズ - Wikipedia

車の中でうちのフランス人夫に歌ってもらったので、お返しに私からは君が代を歌ってあげたら、哀愁のあるメロディだねっていう感想をいただきました。

 

 

ビアリッツ(Biarritz)

夫と一緒に暮らし始めてから、初めての旅はビアリッツ。スペインにも近い、フランス南西部バスク地方のリゾート地。夫は実家が近いということで子供のころの夏休みは何度も家族で出かけたそう。

トゥールーズから車で出発し、ピレネー山脈が左手に見える高速道路を進んで約3時間半。いかにもリゾートらしい風景の街に到着。

サン=トゥージェニ広場

海へ抜ける洞窟の先は散歩道になっていて、大西洋を一望できる高台まで歩きスペインの海岸まで見通せる。

フランス側の風景

かもめのジョナサン的なカモメ

軽く昼食をとったら、街中でウィンドーショッピングも。かわいいバスク織の生地がたくさんあっていろいろと欲しくなる。麻でできた夏物のシャツが素敵だったので買おうか迷ったけれど、麻の生地は皴ができやすいのでアイロンがけ必須だな、、と思って買わなかった。でもかなり素敵でした。

 

トゥールーズの街のこと&はじめまして

フランスの南側に位置するトゥールーズは、オクシタニーというスペイン国境と接する地域圏で一番の人口を持つ、フランスの中でも大きな街。グランゼコールや国立・私立大学などの教育機関が複数あって学生が多い一方、同時に航空機メーカーエアバス(Airbus)の本拠地でもあり、商業圏としても、とても発達しています。

街の中はピンク色のレンガでできた建物が並んでいて、バラ色の都市(la ville rose)とも呼ばれています。景観がきれいなこともあって、初めてこの街を訪問した時の私の印象はとてもよかったのです。

キャピトル広場

キャピトル広場 Place du Capitole

私は南仏コートダジュールの海が好きなので、南フランスでの休暇は基本的にニースやカンヌなどで過ごしがちだったのだけれども(そこから足を延ばしてモナコ公国などでも!ニースからモナコへはローカル電車、またはバスを使って1時間で到着してしまいます。)、当時恋人だった私の夫がこのトゥールーズの街に住んでいたため、すこし西側に足を延ばして訪れることになりました。

この街で気に入っているのは、バラ色の建物の景観や悠々としたガロンヌ川、都市として発達していて日常生活にそれほど困らないことだけではなく、なんといっても遠出の際の交通の便がいいこと!
トゥールーズは国際空港を擁していて、飛行機の便数が多く、さまざまな都市への直通便が離発着しています。各都市への運賃も日本の感覚からするとそれほど高いとは感じない程度です。このことは、この街に住むことを考え始めることになった重要な決め手のうちのひとつ。

旅行好きな私は、あちこち旅行するにも、そして日本に帰郷するにあたっても、気持ちのうえでもハードルが高くないのは大切だと考えています。この点で言うと、フランス国内においてはパリの次くらいに便利なんじゃないかな。むしろ、トゥールーズ市内から空港まで車で15分くらいで到着してしまうこと、渋滞や人の多さや治安に対してパリほど悩まされないことを勘案すると、私にとってはとてもストレスが少なく過ごせると思ったのです。

こうして、初めて訪れたトゥールーズを気に入ることができ、この街に住むことに対して前向きな気持ちになりました。